(公社)日本鍼灸師会主催熊本地震災害ボランティアを福岡県鍼灸マッサージ師会コーディネートのもと活動させていただきました。熊本県鍼灸マッサージ師会よりベッドをお借りさせていただきました。熊本県阿蘇郡西原村へ佐合先生((一社)愛知県鍼灸師会会員))、阿部先生(横浜)、半藤先生((一社)愛知県鍼灸師会会員))、児山の4名で赴きました。6月2日に佐合先生、阿部先生2名で構造改善センター、西原中学校、村民体育館にて施術致しました。3日には、佐合先生は構造改善センターにて、阿部先生は西原中学校にて活動されました。一方、私と半藤先生2名で2日に山西小学校にて施術致しました。山西小学校に着くとすぐに、杖をついたご高齢の女性から「鍼やって!」とお声をかけていただきまして、早速、ベッドを組み立て、問診して鍼治療を行いました。両膝に痛みがあり、両腕があがらず、エコノミー症候群等々の症状をお持ちでしたが、施術後に「脚が細くなってうれしい、痛みがなくなり動くようになった、軽くなって幸せ」と素敵な笑顔で言われ、次々に患者様を紹介して自ら連れてきてくださいました。紹介された方の中には、ご自宅が全壊となり、震災後、浴室の湯船には怖くて入れないと話してくださった方がいました。震災後の生活環境の変化、将来への不安によるストレスが体へ影響し、肩甲間部の痛みや全身の筋緊張が強い状態でありました。
また、1歳4ヶ月の女児が、山西小学校避難所内でひきつけを起こしてしまいました。すぐに駆けつけたところ、意識が少し遠のいておりましたが、母親がだっこしていると意識が戻り、ベッドで休んでもらうと落ち着いてきました。けいれん状態はみられず、熱は無く、嘔吐、麻痺等もないため、意識もすぐに回復したため様子をみていただくことにいたしました。その後、小児はりの説明をして施術を行い、母親にも方法をお伝えして、お子様が3人いらしたので、小児はりを3つお渡ししてセルフケアに使用していただくようにお伝えいたしました。お子様は大変落ち着かれ、気持ち良さそうにして笑顔でおられました。母親からは、自分の行きたい方向と違うことがあるとよく起きますとお聴きいたしました。
帰り際に、山西小学校の教員と生徒9名で、ボランティアについて学内新聞掲載のための取材を受けました。鍼灸師が、痛みのある腰や膝、胃腸の不調やエコノミー症候群、ストレスによる症状などに対して、治療をしていますということをお伝えさせていただきました。
今回の活動で現地に伺い、お体を診させていただき、お話をお聴きすることで、実際の状況や心身の訴えを教えていただきました。現状は深刻であり、先行きの見えない状況であります。お体と心の状態が心配されます。とても微力なお手伝いしかできませんでしたが、伺わせていただきましたことをありがたく思います。これから、皆様が一日も早く心身の健康を取り戻されますよう、そして一日も早い復興を心より願っております。
2016年6月2日(木)熊本県阿蘇郡西原村にて