症例
主訴 不妊症
30代 主婦
排卵が以前から体質的に1.5ヶ月に1回と遅く、排卵誘発剤を使用しても33~35日に1回と少し遅い。
半年程前から病院へ通院しており、この状態で妊娠率は4%程で
人工受精を病院から勧められた。人工受精を行うにしても、何度も挑戦しないとできないとのことで、その場合の妊娠率が8%程である。
現在、約4年不妊症である。
随伴症状: 頭痛。生理時は腰・仙骨辺りが痛い。下痢体質。足の冷え。子供が欲しいのにできない事に悩むとうつ気味になる。腰背の張り。
家族歴 実母が7年間不妊症。
治療方針と経過
1~4回目 > 鍼灸治療後、気持ちが落ち着く。
5回目(29日目) > 病院の検査で子宮の粘液が増えてきているとのこと。
6~7回目
8回目(57日目) > 着床が確認された。
<脈証>
主に、肺経実、腎経虚、胆経実、脾経虚。
治療経穴 選穴は脈診による十二経の虚実の判定に従い、主に難行69難(虚する者はその母を補い、実する者はその子を寫す)による。
鍼:肺経実=孔最、肺兪、尺沢に寫鍼。
腎経虚=肓兪、復溜、腎兪、陰谷に補鍼。
胆経実=陽輔、胆兪に寫鍼。
脾経虚=三陰交、地機、脾兪に補鍼。
灸:復溜、腎兪、孔最。
皮内鍼:腎兪。